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2021.05.07コラム

不動産小口投資の利回りには3種類ある!

不動産小口投資を始める上で重要な指標と言えばやはり利回りです。
利回りを見れば、投資したお金に対してどれだけのリターンが得られるかということを把握することができます。
利回りは高いほうが収益性は高くなりますが、利回りが高いだけで物件を購入してしまうと失敗してしまうケースが多いです。
なぜなら利回りには3種類あり、それぞれ用いる数値や計算方法が違い、同じ利回りでも結果は大きく異なります。
不動産投資で失敗しないためには、3種類の利回りの違いについて理解しておくことが重要です。
今回は、3種類の利回りの違いについて解説します。

【利回りは3種類ある】

利回りは、簡単にいうと物件価格(=投資金額)に対するリターンで、
一般的には1年間でどのくらい儲かるかを計算します。
利回り=年間収益÷物件価格×100で計算することができます。
単純に利回りというとこの表面利回りを指すことが多いです。
ただ、実際に不動産投資を行うと固定資産税や賃貸管理費など色々な費用が掛かります。
本来であればこの辺りも計算に入れないといけないですよね。
この経費をどこまで組み込むかによって、実質利回り、FCR利回りの2種類の利回りを計算することができます。

【表面利回り】

不動産投資で物件を購入する際に、不動産営業マンから物件資料を見せてもらうことがありますが、
そこに記載されている利回りは表面利回りであることが多いです。
なぜなら表面利回りは3種類の利回りの中で一番高い数字が出るからなんですね。
この数字だけを鵜呑みにして物件を購入すると失敗してしまいます。
あくまで、物件選定の最初の段階で参考として用いる程度にしておきましょう。

表面利回りは、上記でも説明した通り、不動産投資で掛かる経費は全く考えず、
物件価格に対して年間どのくらいリターンがあるかを計算します。

●表面利回りの計算式 
表面利回り=年間収益÷物件価格×100
例えば、1000万円投資して年間のリターンが100万円であれば、100万÷1000万×100で利回りは10%となります。

【実質利回り】

最近では、特に区分マンションの収益物件を取り扱う不動産会社の多くは、この実質利回りを採用しています。
区分マンションの場合は、管理費や修繕積立金が必要になります。
最低限管理費と修繕積立金くらいは経費はいれて収支を計算しないと実質どのくらい儲かるかわからないでしょうということですね。
区分マンションを購入するなら最低限実質利回りで計算しておくほうが良いと思います。

●実質利回りの計算式
実質利回り=(年間収益-管理費・修繕積立金)÷物件価格×100
例えば、1000万投資して年間のリターンが100万、管理費・修繕積立金が10万掛かれば、利回りは9%となります。

【FCR利回り】

FCR利回りは実質利回りに加え、物件を購入に掛かった費用、年間必要な経費もきちんと計算します。
投資金額においては、物件価格以外に掛かった仲介手数料や保険など掛かった費用を加えます。
年間収益においては、マンションであれば管理費、修繕積立金、賃貸管理費、固定資産税など年間掛かる費用、
アパートであれば、建物維持管理、無線LAN、賃貸管理費、固定資産税などを差し引きます。
より実践に近い利回りとして最近ではFCR利回りを採用している不動産会社が増えています。
実際に不動産投資を行うと賃貸の募集に掛かる広告費やリフォーム費用も出てきますが、
あくまでシミュレーションなので、FCR利回りで計算しておけば十分でしょう。

●FCR利回りの計算方法
FCR利回り=(年間収支-年間経費)÷(物件価格+取得費用)×100
例えば、1000万投資して取得費用が100万、年間のリターンが100万に対して年間経費20万掛かれば、利回りは7.2%となります。

【まとめ】

今回ご紹介した表面利回り、実質利回り、FCR利回りのどの利回りで計算するかによって、
算出される利回りが大きく違うことはご理解いただけたと思います。
多くの不動産会社は、利回りが高いほうが売りやすいということで表面利回りを採用していますが、
そういった不動産会社は顧客よりも自社の利益を優先している会社と言えます。
不動産会社を選ぶ際には、最低でも実質利回り、出来ればFCR利回りを採用しているような会社を選ぶほうが良いでしょう。